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株式会社 向井製作所

工作機械や自動車試作部品、
高精度の部品加工は向井製作所へ

MUKAI JOURNAL

向井通信
2021.10.08
その内径研削加工、本当に必要ですか?―寸法公差・幾何公差とコストの関係

内径研削加工は、円筒形状部品などの幾何公差(平面・平行度、直角度、同軸(同芯)度、面粗度)、寸法公差などの要求が厳しい場合に、切削加工に加えて行われる研削加工になります。

ところで皆さん、幾何公差をいくつに設定すれば切削加工で済む、あるいは、これ以下の数値にすると必ず研削加工が必要か、という境界線はご存知でしょうか?

もちろん材質や大きさによって内径研削加工が必要かどうかが変わりますが、機械部品の設計エンジニアの方々は、これを抑えておくことで部品のコストダウンにつながると思いますので、ぜひ参照してください。

ここで、φ50×65、肉厚2mm、材質:S45Cのスリーブを想定します。

まずは、「旋盤加工のみ」で達成できる数値を確認してみましょう。

① 旋盤加工のみ   平面・平行度    0.01~0.02
直角度       0.01~0.02
同軸(同芯)度   0.01~0.02
穴径公差      0.01~0.02

続いて、「内径研削込み」の場合は、下記となります。

② 内径研削込み   平面・平行度    0.002~0.009
直角度       0.002~0.009
同軸(同芯)度   0.002~0.009
穴径公差      0.005~0.009

如何でしょうか。φ50、材質:S45Cであれば、公差0.01を境に、内径研削が必要かどうかが決まります。

つまり、どうしても図面上シビアな数値を設定してしまいがちな設計エンジニアの方は、0.01未満の数値にすると研削が必要になってくるな・・・ということをまずは押さえておけばよい、ということになります。例えば、よくあるケースで、平面・平行度0.005などとしてしまうと、必ず内径研削が必要になってしまうので、コストダウンにも限界があるのです。もちろん機能上必要であればそうすべきですが、何から何まで0.005とすると、オーバースペック→コストアップとなってしまいます。

なお、今回はφ50、材質S45Cの円筒形状部品としましたが、これより
・径が大きくなる、長くなる、薄くなる
・材質が変わる
など条件が変わると達成できる数値が異なります。
とは言いましても、ワークのサイズ・材質・形状により最適な平面・平行度・直角度・同軸(同芯)度・穴径公差の設定は判断しづらいと思います。向井製作所では、日々、円筒形状部品などに対する内径研削加工を行っておりますので、図面を拝見させて頂ければ様々なご提案を行うことが可能ですので、ぜひご遠慮なくお問い合わせください。

なお、向井製作所では、高精度な内径研削加工を行うために様々な取り組みを行っております。例えば下記の図のような薄肉円筒形状部品の内径研削をする場合、チャック爪を使用すると圧力により変形してしまいます。そのような場合はマグネットチャックを利用して固定します。しかし、図Aのように、C面が小さい(C0.5以下)と砥石の底面がマグネットに干渉してしまうため、奥に削り残しが出てしまいます。そのため、残り部を研磨するために、製品を逆にして芯出しをする必要あり、2工程かかってしまいコストアップとなります。

そこで当社では、砥石の底面がマグネットチャックに当たってしまうことを避けるため、図のようにC面を大きくすることで加工上の問題解決を図っています。マグネットチャックで取り付けた製品の場合、C0.5~C1.0にすると、砥石の底面がマグネットチャックに当たることなく、全ての内面を1回の段取りで研削加工することができます。従って、内面研削加工の工数が削減され、コストダウンが実現できます。

  

向井製作所では、旋盤加工および円筒研削加工技術を用いてお客様からのシビアな加工ご要求にお応えすると同時に、お客様のニーズに合わせたVE提案を積極的に行っており、今回ご紹介した幾何公差・寸法公差とコストの関係のご提案もその一部です。円筒研削加工を含む丸物加工でお困りなら、ぜひお気軽に向井製作所までお問い合わせください。