株式会社 向井製作所
高精度の部品加工は向井製作所へ
平面研削加工 事例
平面度・平行度・直角度・面粗度・厚み公差
「プレート加工品の 平面・平行度 と コスト の関係」
平面研削加工は、プレート等の平面・平行度、直角度、面粗度、厚み公差などの要求が厳しい場合に切削加工に加えて行われる研削加工になります。もちろん研削加工を行うとコストは上昇しますので、実際の機械部品の設計では寸法公差や幾何公差を重視するあまり、不必要な研削加工を行うこととなり、その結果、コストが膨らんでしまうというケースもあるようです。
そこで今回のコラムでは、平面・平行度が要求されるプレートを題材に、どういった場合に平面研削加工が必要なのか?切削加工のみでどこまで平面・平行度が出るのか? また材質・寸法・板厚はどのように平面・平行度に影響するのか?を解説していきたいと思います。
まず題材として、下記のような機械部品のプレートがあると仮定します。
200×100×t50、材質:S45C
結論から申し上げますと、この場合「切削のみ」の場合と「平面研削込み」の場合の平面・平行度は下記となります。
①フライス加工のみ 平面・平行度 0.01~0.02
②平面研削込み 平面・平行度 0.01未満
200×100×t50、材質:S45C であれば、公差0.01~0.02を境に、平面研削が必要なのか不必要なのかが決まる、ということがお分かり頂けるかと思います。
言い換えると、プレートはとにかく高精度なものが良いので平面・平行度は0.005としてしまうと、必ず平面研削が必要になってしまうので、コストダウンにも限界があるのです。
なお、今回は 200×100×t50、材質:S45Cのプレートとしましたが、
・これより薄くなるケース
・サイズが大きくなるケース
では、切削加工・研削加工ともに達成が厳しくなります(こちらも言い換えると、精度が出にくい場合は厚みを持たせる・形状を変更するといった対策もあるという事になります)。
ここまで、切削加工や平面研削でどこまでの平面・平行度が出せるのか、またサイズ・板厚との関係も述べてきましたが、それでは、実際のプレートなどの機械部品を設計する際にはどういった事に注意すべきなのでしょうか?
それは、上記の切削加工・研削加工でおおよそどこまで達成できるのかを把握した上で、プレートが組み込まれる装置全体の精度に基づき要求される精度も考慮する必要がある、ということです。機械部品にやみくもに高精度を求めるのではなく、本当に必要な幾何公差を見極めて、できる範囲で切削加工だけで達成できる幾何公差に抑え、各部品に設定することが必要になのです。
とは言いましても、ワークのサイズ・材質・形状により最適な平面・平行度の設定は判断しづらいと思います。向井製作所では、日々プレート等に対する平面研削加工を行っておりますので、図面を拝見させて頂ければ様々なご提案を行うことが可能ですので、ぜひご遠慮なくお問い合わせください。
P.S.なお、平面研削はマグネットで固定するため、磁性のない非鉄ワークで同様に研削ができるかはケースバイケースです。
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問題点・・・平面度が必要なブロックの中心に穴の開いた加工品で、穴の中心が基準点となるが、平面部までの距離を正確に測ることが出来ない。という問題がありました。
図1のような穴の中心から10、公差-0.01の寸法指示がある部品の場合、寸法の測定に時間がかかってしまいます。
このような公差をクリアするには、荒加工の後に、両面を平面研削で仕上げる必要があります。
しかし、簡易的な測定方法では穴の中心から平面までの長さを測ることができないため、時間が掛かる特殊な測定方法を用いる必要があります。
また、複数ある場合も、1つずつ研磨して測定するので、大幅な時間が掛かりコストアップとなる要因でした。
治具の突起に加工品の穴をはめてナットで固定
穴の中心から寸法指示がある部品は、上図のような治具を用いることで測定時間の短縮が可能になります。
この治具は、突起部分を加工品の穴に入れてナットで固定して平面研削加工をします。こうすることで、簡易な測定方法で測定が可能になり、加工時間が短縮されます。
また、この治具は複数個同時に部品を取り付けることで、同時加工が可能となるので、1つずつ研磨加工をすることと比べて加工時間が大幅に短縮され、コストダウンが実現できます。