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株式会社 向井製作所

工作機械や自動車試作部品、
高精度の部品加工は向井製作所へ

MUKAI JOURNAL

向井通信
2021.06.10
加工用治具製作と設計変更によるVA・VE事例

向井製作所では、効率よく製品を切削加工する上で様々なコストダウン提案をお客様に行っております。

今回はその中でも、お客様から製作依頼頂いた図面に記載されている寸法公差及び面粗度のご要求はそのままに、加工治具の工夫と少しの形状変更によって実現したコストダウン事例についてお伝えいたします。

 

この製品(図1)は、深溝(深さ150mm・溝幅40・面粗度Ra3.2)の加工があるチャッキングボディです。

加工工程・工具は荒取り(高送りカッターorショルダーカッター)、中仕上げ・仕上げ(ハイスエンドミルor超硬エンドミル)であり、横型マシニングセンターで加工します。

 

 

図1

図1

 

その際、各工程とも深溝のため工具の突き出しが長く、びびり や ひずみ が生じてしまうため、要求通りの寸法公差や面粗度での加工が困難でした。特に、仕上げのエンドミル加工に入った際に、びびり がひどく、面粗度が悪くなる・ひずみで溝幅の寸法公差を外れてしまう、といった現象が起きていました。

 

そこで向井製作所では専用治具を考案させて頂き、図2のように製品に治具取付用のタップ穴を設けさせて頂くよう、設計変更の依頼を行いました。図3の専用治具をボルトで取り付け(図4)、横型マシニングセンターで以前と同じ段取り、同じ工具で加工を行いました。

 

図2

図3

図4

 

このような設計変更を行い、かつ加工治具を使用することで、荒取り、中仕上げでは全くびびり・ひずみも無くなったことに加え、切削送りも上げることができました。仕上げ加工に関しても、びびり が生じにくくなり、ひずみはなくなりました。さらに面粗度も向上し、溝幅の寸法公差内にも収まるようになりました。

 

今回ご提案した事例では、設計変更と加工治具製作を行ったことで、タップ穴加工と加工治具取り付けの時間はかかってしまうものの、以前より加工効率向上が図れたため、結果として約20%のコストダウンに繋がりました。

 

向井製作所では、巧みに加工治具を用い、生産性と安定品質でお客様の部品調達に貢献いたします。